2008/10/29

Good, old things.

『智慧の実を食べよう。』
 糸井 重里 / 吉本 隆明 / 谷川 俊太郎 / 藤田 元司 / 詫摩 武俊 / 小野田 寛郎 著
(ぴあ)  Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books

『智慧の実を食べよう 学問は驚きだ。』
 糸井 重里 / 岩井 克人 / 川勝 平太 / 松井 孝典 / 山岸 俊男 著
(ぴあ)  Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books


だいぶ前に読んだ本だけど、最近読み返してみたら、やっぱりとても面白かったので、あらためて。

日本屈指のモンスター・サイト、ほぼ日刊イトイ新聞が主催したイベントの模様を収めた本。「出口の見えない時代だからこそ、長老の話を!!」というテーマで開催されたイベントで、講演した詫摩武俊(心理学者)、吉本隆明(詩人・文芸評論家)、藤田元司(野球解説者)、小野田寛郎(小野田自然塾理事長)、谷川俊太郎(詩人)の 5 人の合計年齢は 378 歳。6 時間に渡って行われた伝説のイベントなんだとか。その辺の事情は知らずに読んだんだけど、確かに内容はとても面白くて、示唆に富んでて、心に染みる。やっぱり伊達に年をとってるわけじゃないというか、年寄りの話は面白い。実際に話した口調をそのままテキスト化しているので、文体も柔らかくて読みやすい。人選の妙だけでなく、この辺のサジ加減の絶妙さはさすがに糸井重里かな、と。

続編の「学問は驚きだ」のテーマは「学び」で、講演者は岩井克人(経済学者)、川勝平太(経済学者)、松井孝典(物理学者)、山岸俊男(社会心理学者)の 4 人。「学生のときよりも、卒業してからのほうが勉強したくなるのはなぜなんだろう?」というコピーにある通り、オトナの学習欲を刺激してくれる難しいけど面白い話を、これまた絶妙のサジ加減で読めます。個人的にはこの「学問は驚きだ」のほうがツボで、全員ハズレなし。特に川勝平太氏はこの本で初めて知ってから、他の著作や雑誌の記事をチェックするようになったくらい。「経済学者」ってことになってますが、日本という国のあるべき姿というか、これからの日本のヴィジョンがすごく面白くて、TV によく出てる「マネー」が大好きな経済学者とか、それらしい顔してピントがズレたことを言ってる政治家より、よっぽどワクワクさせてくれる。独特な地方分権=道州制の考え方とか、右肩上がりを前提としない経済の在り方とか、すごくツボでした。

正直言うと、個人的にはそれほどほぼ日が好きなわけもないし、糸井氏のセンスの良さはもちろん認めつつも、どっかで、いわゆる「業界」臭がするような、ある種のウサン臭さも感じてたりして、諸手を挙げて「好き」っていうのはちょっと抵抗を感じるんだけど、この 2 冊に関しては、その辺の微妙な印象を忘れちゃうくらい、とても好きな本だったりする。

あと、観たことないけど DVD も出ているらしい(『智慧の実を食べよう。』『智慧の実を食べよう 2 学問は驚きだ。』)。

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